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プロジェクトストーリー

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PROJECT 2 もはや介護保険だけが介護サービスの領域ではない。
その前の「予防」でも、ノウハウは活かせる。

地域に拠点を構え、2004年から今日に至るまで、介護予防サービスを提供してきた「ジョイリハ」。
それは、まさに揺れ動く介護保険という制度の中で「要介護」「要支援」認定者と真摯に向き合ってきた歴史でもあった。
だがいま、ジョイリハは元気高齢者を含めた網羅的なサービスの展開へと踏み出している。
その一歩によって、「日本を健康に。」というビジョンはまたひとつ、完成へと近づいていく。

保険外事業部
総合事業セクション
関東 担当インストラクター
若狭 翔太

時代の流れの中で、介護サービスの提供を、
「介護保険」の外側にまで拡大させる。

2000年の施行から17年。当時、鳴り物入りで制定された介護保険はいま、何度目かの岐路に立っている。これまでの流れを大まかに解説すると、「介護予防」をさらに重視すること、「地域」でのケアをさらに推進することが挙げられる。かつて福祉や医療という枠組みだけだったところに、新たに「介護」というカテゴリーをつくり、「保険」という仕組みを通じて高齢者を社会全体で支えることにしたのがそもそもの介護保険であった。だが、その介護保険自体も再構築に次ぐ再構築で、実態は大きく変化した。もちろんその背景には国で負担する医療費の増大が、もはやゆるがせにできないところにまで達している事実がある。そしてバックアップとして整えた介護保険についても、財源確保には限界があることが突きつけられているわけだ。


そうした激動の時代の最前線で、まさに地域に密着し、介護予防に特化したデイサービス施設として歩んできたのが「ジョイリハ」である。2004年に1号店が誕生して以来、「要介護」「要支援」といった認定者を受け入れ、短時間のリハビリや運動サービスを提供してきた。いまや系列店を合わせるとその数は全国55店舗にもおよぶ。


そのジョイリハが、これまでの「介護保険」外に大きく踏み出したのは2015年のこと。保険外事業の担当マネージャーがその経緯を語る。「いま『要支援』の皆さんへのケアは、国から自治体へと提供の主体者が変わってきている最中。新たにつくられた『総合事業』という制度で『要支援』の認定者に加えて、チェックリストで該当した予備軍の方々をサポートすることになっています。私たちも、その『総合事業』に挑戦し、これまで培ってきたノウハウを還元しなければと考えました」。

地域ごとに異なる実情。
柔軟でなければ引き受けられない総合事業。

総合事業で特筆すべきことは、従来、国の介護保険制度によって一律だったものが、市区町村ごとに基準も単価も変動することになったことだろう。これによって、冒頭で述べた「介護予防」と「地域」という流れは、ある意味で最終章に突入したと見る関係者も多い。つまり、介護保険は「要介護」のみを対象とし、「要支援」などそれよりも生活機能が維持された層は少しずつ対象から外れていくことが予見されているのだ。再び担当マネージャー。「ただし、私たちとしてはその流れ自体を悲観してはいません。さらに多くの人々の健康維持や介護予防に携わる機会が広がったという見方をしています」。


問題となるのは、それぞれの自治体が地域の実情に応じて、創意工夫をして提供するサービスを変えるという点だ。「そこなんですよ(笑)。自治体の総合事業は公募にて事業者を選定する案件が多く、それぞれに予算も要件も大きく異なる。『ジョイリハ』の店舗が使えるケースもあれば、スタッフを派遣するケースもある。スタジオ必須となれば『ジョイフィット』との連携も必要になるし、有資格者が必要なこともある。その都度、企画を練ることになるので大変です」。またさらに細分化すれば、既存の店舗で引き受けられる区分、別チームを組織しなければ稼動できない区分などが入り組んでいる。


この総合事業には、かねてから介護サービスに携わってきたジョイリハのような事業者以外の参入も増大し、一般のスポーツクラブやカラオケ店なども競合相手になったという。だが、ジョイリハは複数の自治体から受託を受け、着実に保険外事業での実績を積み重ねることになる。

総合事業をきっかけにして、
少しずつ広がる「その他」の展開。

「ストレッチ、体操、マシン運動など店舗で導入しているカリキュラムは、総合事業にも大いに生かされました」。そう語るのは、担当インストラクターの若狭翔太だ。「現在私は、総合事業の担当者として現場に出ています。総合事業の目的は地域の方々に『運動習慣』を身につけていただくことですが、店舗で行っていることと根っこは同じなんです。店舗と異なるのは対象者が違うこと、期間があること。3ヶ月の中で成果を出していただくためには、専門的な知識やそれぞれに応じたアプローチの引き出しも必要。また、区の担当者との連携も重要になってきます」。週に2回、3ヶ月で計24回。総合事業として設定されているのは限られた期間だが、若狭はその後もウォーキングイベントなどを開催し、地域の高齢者との交流の場を設けている。「運動教室を卒業するということは、元気を取り戻したということ。『その後』が見られるのも嬉しいですよね」。


総合事業に乗り出したことで、副次的な効果もあったと若狭は言う。「以前よりも地域包括センターやケアマネージャーさんとの関わり合いは深くなったと実感しています。『ジョイリハの若狭』という名前を覚えていただけたことで、別のイベントに講師として招かれたり、今後の相談を受けたりすることもあります。江東区では総合事業の他に、普及啓発事業という取り組みも行っており、そちらもジョイリハが受託しています。『脳活』のような私たち独自のコンテンツは高い評価を得ていると感じます」。そうなのだ。「要介護」「要支援」といった認定者だけをサポートするのではなく、その前の段階にいる高齢者にも「介護予防」のすそ野は広がっている。運動系のプログラムも、作業系のプログラムも、認知系のプログラムも網羅しているジョイリハの強みが再認識できたこと、そして人間関係が深まったことなど、手に入れたことは少なくない。

元気高齢者向けのサービスまでを網羅し、
「日本を健康に」というビジョンを完成させる。

介護保険や総合事業など、時代の変遷や法改正に伴って、求められることがつねに変動する介護事業。それはまさに「トライ&エラー」の連続と表現するのがふさわしい。だが、そうした手探りの中にあってこそ、受け身ではなく攻めの一手を投じるのがジョイリハの真骨頂だろう。「介護保険も総合事業も、いわば公的資金から報酬が捻出されるもの。その領域におけるエキスパートとして、私たちが自己研鑽を続けていくことは言うまでもありませんが、さらにその外側にも目を向けるべき時がきていると思っています」と鈴木。
たとえばその実例のひとつが、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」だろう。「『公』が主導する特別養護老人ホーム(特養)の他にも、今後は高齢者専用住宅など利用者側の選択肢は増えていくでしょう。すでに私たちは、そうした住宅を管理運営している企業とも提携し、民間の運動教室に講師を派遣することもスタートさせています」。


2017年現在、日本の高齢者は3514万人を超え、総人口の27.7%という過去最高の割合にまで増えた。介護事業で躍進してきたジョイリハは、その中の「要介護」「要支援」の認定者だけでなく、元気高齢者を含めたすべての高齢者をカバーできるポジションを目指している。地域包括ケアシステムでは「自助」「互助」「共助」「公助」という4つの柱を打ち立てているが、「自助」「互助」の確立には民間サービスや地域コミュニティの充実が不可欠だろう。ウェルネスフロンティアが提唱している「日本を健康に。」というスローガンは、決して絵空事ではない。「時代に翻弄されるのではなく、自らが打開していく姿勢。それが私たちのエネルギーの根本です」と鈴木は言葉に力を込める。